トパーズ(監督:ヒッチコック)に関して
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2023年8月28日 01時41分
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総合評価:
5.0
ヒッチコック映画は、この作品の後、2本ありますが、この映画:トパーズは、ヒッチコック映画に共通するウィットネスが感じ取れる、最後の作品です。
ソ連系の諜報部(ピアノ演奏が出来る女性が登場します)、と、キリスト教派閥の諜報部(英語よりも中国語が得意な女性が課長)、の確執、次に、当時、社会主義国家のキューバ、とアメリカ合衆国が協調するかもしれないとかで、ソ連と、アメリカ合衆国、は、ミサイルに依る大変な事態、になるのが予想されるので、フランスが、介入し、これを、回避した、と、描いています。
大変、理論的な構成の映画で、ヒッチコックの、登場人物たちをオブジェ的に並べた、卓抜な演出は、見事。
次に、モーリス・ジャールの映画音楽(劇中音楽)は、旧約聖書的です。
他に、ジャレエはNATOの人物ということになっていますが、実際は、Z国の政治理論研究所の所長ではないでしょうか。
これは、すぐれたカソリック映画です。