クーリエ：最高機密の運び屋の豆知識・失敗談

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クーリエ：最高機密の運び屋
2021年9月23日上映 / イギリス / 112分

3.8/5.0

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1962年10月。ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設していることが明るみになり、対立状態にあったアメリカとソ連は衝突寸前に陥る。このキューバ危機を回避するために、アメリカ中央情報局CIAとイギリス情報局秘密情報部MI6はスパイの経験など皆無だったイギリス人セールスマンのグレヴィル・ウィンにある諜報(ちょうほう)活動を依頼する。それはモスクワに飛びソ連軍参謀本部情報総局GRUの高官と接触を重ね、彼から得た機密情報を西側に持ち帰るというものだった。

豆知識・トリビア

豆知識・トリビア
脚本家のトム・オコナーは、グレヴィル・ウィンとオレグ・ペンコフスキーについて、できる限りの情報を集めました。二人の関係はいくつかの本に書かれているが、断片的なものに過ぎません。「基本的なことを理解するには十分でした」とオコナーは言います。「多くの出来事は昔も今も機密事項であり、時には、何が起こったのかを正確に知ることは困難でしたが、それは双方が積極的に誤った情報を流しているからなのです。人々は必ずしもすべてを記録に残したいわけではないのです」。
豆知識・トリビア
映画の序盤、登場人物たちはCIAがポポフという名のスパイを使って失敗したことに言及しています。ピョートル・セミョノビッチ・ポポフは、第二次世界大戦中にCIAと行動を共にし、後にウィーンに駐在して二重スパイとなったソ連軍情報部（GRU）の人物です。ポポフはU-2計画へのソ連の侵入をCIAに警告するなど、貴重な情報を提供していました。結局、ソ連当局は1958年にポポフを疑ってGRUから解雇し、1959年にようやくポポフを逮捕しました。映画が始まる1960年8月の時点では、ポポフは同年1月に処刑されていました。興味深いことに、同名のセルビア人スパイ、ドゥスコ・ポポフは、第二次世界大戦中、MI6の二重スパイとして活躍し、ジェームズ・ボンドのキャラクターに影響を与えたと言われています。
豆知識・トリビア
ベネディクト・カンバーバッチにとって英国諜報機関を題材にした3作目の作品で、冷戦時代を舞台にした2作目の作品です。これまでに『裏切りのサーカス』（2011年）、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』（2014年）に出演しています。
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グレヴィル・ウィンは、1967年に初版が発行された自伝を書いていますが、脚本家のトム・オコナーは、この本の信頼性が疑われていることを知っていました。オコナーは「私は、ウィンが主張している出来事を、現実にはありえないと一点一点否定している人たちの話をいくつか読みました。」と語っています。
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脚本家のトム・オコナーは、さまざまな情報源からストーリーをつなぎ合わせて、脚本のドラフトを作成し、プロダクション会社に送りました。その結果、プロダクションハウス42のベン・ピューの目に留まり、彼はすぐに42にこの映画をプロデュースしてもらいたいと考えました。「長い間、このような映画を作りたいと思っていました」とピューは言います。「あの時代が大好きなんです。スリリングな要素や世界的な大規模な政治的背景を持つ世界の中心にいる普通の男が、彼と彼の家族のことを考えながら、結局は世界を救おうとするというアイデアが気に入ったんです」。
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本作は2021年、グレヴィル・ウインの誕生日である3月19日に多くの地域で公開されました。彼は1919年に生まれ、1990年2月29日に亡くなりました。
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本作は、ジェームズ・ボンド映画に類似した点が多く、特に、テレビ広告や映画批評ではそのように宣伝されています。ベネディクト・カンバーバッチ演じる主人公グレヴィル・ウィンが登場する最初のシーンは、ジェームズ・ボンド映画『007ゴールドフィンガー』（1964年）の撮影で使用されたゴルフコース、ストーク・パークで撮影されています。
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本作でベネディクト・カンバーバッチが演じるのは、ソ連とMI6およびCIAとの間で暗号メッセージをやり取りする実在の "クーリエ"、グレヴィル・ウィンです。暗号化されたメッセージが、後に暗号装置によって復号されるシーンがあります。この映画で使われている暗号装置は、「エニグマ・マシン」と非常によく似ています。オリジナルの「エニグマ」暗号は、実在の主人公アラン・チューリングをベネディクト・カンバーバッチが演じた映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』（2014年）の題材にもなっています。
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1962年10月16日、ジョン・F・ケネディ大統領は、キューバ上空を飛行していたU-2機が撮影した高高度写真を手渡されました。そこには、キューバ島に核武装したミサイルを設置するソ連兵の姿が写っていました。アメリカは、ソ連がカリブ海の島に核弾頭を配備していることを密告されていたのです。キューバ危機は、世界を核戦争の瀬戸際に追いやりました。
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俳優のウラジーミル・チュープリコフがニキータ・フルシチョフを映画で演じるのは今回が2度目で、最初は『ガガーリン世界を変えた108分』（2013年）でした。