「家族」とはなにか
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月7日 16時42分
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総合評価:
4.0
とある家に住む「お父さん」と「お母さん」、そして「おばあちゃん」。
一家はおばあちゃんの年金を頼りにして生活しており、足りないものは万引きして済ませています。
ある日、虐待で外に出されていると思われる少女を見つけて家に連れ帰ります。
いきなりネタバレになってしまいますが、この一家、本当は「家族」ではないのです。
「血のつながった」という意味では。
社会からドロップアウトし、這うように生きる一家。
しかし、生活には笑顔があふれています。
万引きは決して許していい行為ではありません。
そこを肯定することはできませんが、彼らはたとえ血がつながっていなくても「家族」なんですよね。
物語の途中、家族で花火を見るシーンがあります。
その姿は穏やかで「本当の家族」の姿といっていいでしょう。
そして物語は最終的に全てが世間に明らかになってしまいます。
報道を見た人々は「なんて酷い話だ」と感じるかと思います。
彼らには彼らなりの幸せがあり、そこには確かに「家族」としての姿があったということは知られないことでしょう。
「家族」とは「幸せ」とはを問う良作です。