「母」から「私」へ
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月6日 11時52分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
母の日なのに、息子が手紙もプレゼントも送ってこないと嘆く母親3人。
彼女たちは、ニューヨークで暮らす息子たちの元へ押しかけることにします。
そんな息子たちは多少の問題を抱えつつも、自立し、それなりに自分の生き方を歩んでいました。
「親の心子知らず」といいますが、逆もまた然りなんですよね。
かつて「MotherのMを取ると他人である」というキャッチコピーのCMがあったことを覚えています。
また、これはいわゆる「毒親」関連で、親に対して言われることがあります。
「お母さんはこう思う」の主語の「お母さん」を「私」に変えてみることで変化が出てくるということです。
物語の「お母さん」たちもまた、少しずつ子離れし、人生の先輩としての助言を与える者もでてきます。
このあたりが大変好ましいと感じました。
「お母さん」から「私」へ。
それは少しさびしいかもしれませんが、子が巣立っていくにはとても需要なことです。
それでこそ親と子が適切な距離をもって、互いを尊重できるのです。
物語の締めくくりも明るく、その先の未来を見たくなる作品でした。