絶妙な不快感
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月23日 20時35分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
たった数ページで不思議な不安感を誘う同名コミックの映画版です。
原作が元々好きで、期待して観てみました。
先に書いたとおり原作は非常に短いエピソードが綴られています。
「映画になるとどうなるのかな」と思ったのですが、うまく原作の雰囲気を映像化しています。
原作の持つ、頭の中を内側からひっかかれるような微妙な不快感。
ここが再現されていてよかったです。
原作に寄せて、オムニバス形式でストーリーは進んでいきます。
舞台はとある街。
そこで起きる怪異の数々として描いている点が興味深いです。
原作では日本のあらゆる土地が舞台でしたが、本作では地域限定。
これはこれでありだな、と思いました。
「不安の種」が好きな方なら、本作の不気味さを楽しめるかと思います。
ただ、ホラーというには少しパンチが弱いので、原作を知らずにホラーを求めて観ると物足りないかもしれません。
例えるならシーツに落ちた一滴の血。
恐怖とまでは言いませんが、どこか不安な不快感。
それが「不安の種」の味なのです。
シリーズで人気のオチョナンさんも出てきますよ。