「不自由の国」アメリカが抱えるビョーキ
2021年9月15日 10時55分
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総合評価:
4.0
皮肉の効いた演出で社会問題を切り取る、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー作品です。
本作のテーマは医療保険。
タイトルの「シッコ」は「狂気」などのスラングを「sick」とかけており、日本語的に訳すと「ビョーキ」といった感じです。
日本では国民皆保険ですよね。医療費の負担は若い世代では3割負担になっています。
しかし、アメリカでは国の保険制度はなく、各自で保険会社と契約を結ぶことになっています。
これが大問題。冒頭でも紹介されている一例を挙げると、事故で指先を2本切り落としてしまった場合、それぞれの指に金額がかかり、一本だけを選ばざるを得なかったりするのです。
保険会社はあくまで商業。ですので、保険の申請をしても徹底的に調べ上げられ却下されることも。
日本では生命保険会社との契約は「よりよく、快適な治療」を受けるための手段でもあります。
私自身、大病を患ったときに生命保険会社から多額のサポートを受け、快適な入院生活を送りました。
ビジネスとしての医療保険は本来はそうあるべきでしょう。
しかし、なぜそうなったのか、なぜ変えられないのかという点にも踏み込んでおり、面白く観れる作品です。