今はお亡くなりになられた岸田今日子さんの演技が光る
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年9月2日 11時42分
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総合評価:
5.0
塾合宿でやってきた都会の子どもたちと、その地元の子どもたちの対立から物語は始まる。
合宿の最終日に指名手配の泥棒と子どもたちが学校に閉じ込められてしまうのだが、そのやりとりが面白い。
泥棒を教師と勘違いしている子どもたちと、雑ながらも教師を演じようとする泥棒との間に、恐怖と困難を共にすることによって、不思議な絆なようなものが生まれるのである。
邪見にしている子どもたちの頼みを聞いたり、最後には盗んだ衝立よりも子どもたちを助ける方を選ぶなど、子どもたちとのやり取りの中で見えてくる泥棒の人間臭さが映画では描かれている。
学校の怪談の前作とは、また違った個性的な子どもたちや登場人物もそうなのだが、妖怪も新しくなっている。
特に今は亡き個性派女優であった岸田今日子さんは独特な存在感を放っている。
2の人気妖怪と言ってもいいほど、当時の私を含む子どもたちの間では話題にあがっていた。
おっとりとした口調の岸田さんと泥棒との怖いけれどコミカルなシーンは、何度も見返す名場面である。
映画は4時44分で始まり、終わる。
たった一分間の濃密な冒険が、キャラクターたちの絆を育み、成長と、物語終盤の切なさを生み出すのである。
ジェットコースターのような感情の起伏を綺麗に治めて映画が終わりを迎えるので、私たちはその残り香のような余韻に浸れるのである。
イメージワード
- ・笑える
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- ・勇敢
- ・切ない
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