ホラーじゃなくて恋愛映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月20日 03時34分
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総合評価:
4.0
この映画が公開された当時真っ先に鑑賞した知人数名から「グロい」「綺麗で好き」など十人十色な散らかり気味の感想のみを聞いており、あらすじなど何も頭に入れないまま好奇心のみで映画館に足を向けたのですが、割とそんな自分を殴りたくなるくらいには映画館で観たことを後悔する映画でした。(笑)
女子大生がカルトの村に彼氏や友人たち数人と気軽な旅行に行ったらとんでもない奇祭に巻き込まれることになったホラー映画?という感じで見始めました。
あらゆる場面に散りばめられた民俗的なモチーフやら風俗的な場面やらがやたらとリアルで、「こんな村もしかしたら本当に地球のどこかにあるのかもしれないな」と思わせるようでそれが更にゾワゾワとした恐怖をかきたてます。
と、前述の「映画館で観たことを後悔した」のは、おそらく有名なシーンだと思うのですが、人間がグシャリとつぶれるシーンが…心の準備などできない状態で突然大画面のスクリーンに映し出されたので本当に心臓に悪かったです。グロ耐性があまりないので、その後数分間は目を手で覆いながら指の間から覗くように鑑賞してました。
何度か訪れるグロシーンに警戒しながら観続けましたが、最後まで観終わってからの感想は、
「ホラー映画に見せかけた恋愛映画だ!」
というものでした。
後半にかけて奇祭にまつわる悲惨なグロさと爽やかで明るい美しさが混沌と交じり合ってなんとも言えない不思議な気持ちになっていったのですが、
最終的には主人公の女の子が、自分への思いやりや共感が足りない不満だらけの彼氏を捨てて、カルトじみたコミュニティ(共同体)の中で理解と共感を得て生きていくことを選んだ失恋と再起の恋愛映画だなあ、という感じです。
前もって聞いていた知人の「グロ」「綺麗」という多様な感想にも納得しました。
これを踏まえてもう一度観てみたいですが、件のグロシーンに耐えられる気がしないのでまだまだ観られそうにありません。(笑)
イメージワード
- ・泣ける
- ・不気味
- ・恐怖
- ・不思議
- ・絶望的
- ・ロマンチック