命の重さ
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月22日 21時37分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
ルーマニアの作品です。
山岳遭難ものはいくつか観ていますが、本作は「待つ側」から描かれています。
息子が雪山で遭難したと聞いた父。なにがなんでも、とかけつけます。
雪山装備でもないのに救助隊に着いていくと言い張り、断られ……。
次はちゃんと装備をして無理を言ってついていくものの、雪山に慣れていないため途中離脱します。
このあたりは父親の身勝手さに少々苛立ちを覚えました。
気持ちはとても分かるのですが、その行為が二次被害、三次被害を生み、更には肝心の救助の遅れにも繋がるからです。
父親は元情報局員。その職場のつてで、息子が持つ携帯電話の発信源を探すチームを作ります。
その際に、別の遭難者の母親から依頼を受けるのですが、これを断るんですよね。
終始、自身のことだけを考えている父。
しかし、最後には別の選択をします。
本作は救難救助ものというよりは「命の重さに差はあるのか」を描いたものかと思います。
親にとって、子の命は他者のそれより重いもの。
それを尚超えて守るものはあるか、という問いを感じました。