コンピューター技術が今より乏しい時代の人類の英知
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年12月21日 22時28分
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総合評価:
5.0
実際にあったアポロ13の事故が元となった作品。
月を目指して地球から飛び立ったものの、目の前にして事故が発生します。
工夫の限りを尽くして地球へと帰還する物語です。
事故発生直後、着陸を諦めて月面を眺めるシーンが切なかったです。
文字通り手を伸ばせば届くようなところにある目的地。
でも、着陸したら絶対に地球には帰れない。
そこを諦めるのは辛かっただろうと思いました。
地球を目指して帰る中、様々な問題が発生。
第一に電力不足による船内温度の低下。
もっとも問題なのは空調設備が壊れたため、船内の二酸化炭素濃度が上がっていくところ。
ここをどう解決していくかの展開が面白いです。
こういった事故に備え、地上にはアポロ13号と同じものが地上にもあります。
それを使ってどこをどうすれば電力を節約できるか、どうすれば二酸化炭素を排出できるかを連携して考えるのです。
靴下まで使っての極限状態。
なんとか地球にたどり着いたものの、今度は大気圏突入角度の問題も発生。
さまざまな苦難があった事故ですが、この事故は1970年に発生しているんですよね。
今のように家庭にもコンピューターがあるような時代ではありません。
簡単に計算してくれる機器もありません。
そんな中で帰還した飛行士たち、地上のスタッフたちの知恵と技術に驚嘆しました。
この映画を観た後、月を見たときに「あそこまで行って自力で帰ってきた人たちがいるんだなぁ」と不思議な感慨を覚えました。