救われない世界への戸惑い
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月28日 11時30分
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総合評価:
3.0
「君の名は」は超えられなかった。
前作と比較するのは無粋だが、そう思ってしまった。
なぜならば、世界観があまりにも前作と似ているからだ。というか、前作の主演二人が出てきてしまうので、否が応でも比較してしまうのだ。
前作が「時を超えて世界を救う」のに対し、今作は「神に反して世界を救わない」。
この「世界を救わない」という結末が、「世界を救った」前作よりも評価が低い理由の一つではないかと思う。私自身、そう感じたのだ。
私たちは、皆が苦労して世界を救う話をたくさん知っている。
その世界は、あるときは学校や村、町といったスケールだったし、またある時は国や地球だったりもした。地球を守るために、誰か一人が犠牲になる英雄伝説なんて、手を変え品を変え私たちに提供され続けている。
ところが、この作品では世界は救われない。
東京はどっぷりと水に浸かり、私たちの知っている街並みはすっかり変わってしまうのだ。
主人公たちが、自分たちこそが世界そのものであり、何よりも優先されるべきだと決断すること自体は素晴らしいし、何の異論もない。
だが、いつもなら救われるはずの世界が沈没した姿に、どうしても晴れやかな気持ちになれなかった。
イメージワード
- ・切ない
- ・コミカル
- ・ロマンチック
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