商業としての登山のありかたについて
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年10月7日 15時32分
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総合評価:
4.0
実際に起きたエベレスト大量遭難事故を描いた作品。
エベレストと言えば世界最高峰で、おそらく登山する方なら憧れる山のトップかと思います。
しかし「最高峰」というからには登るには困難が多く、命の危険さえある山です。
そんなエベレストの登山を「商業登山」としてツアーを組む、というのがきっかけの事故。
まず、この事故の最大の原因は「商業登山」であったということです。
事故当時、様々な会社が同じような企画を出していたとのことで、当然ながら「登頂実績」が高いと評価も高くなるという現状があったのです。
だから「登頂」にこだわってしまった。
登山の経験実績や能力の低い「顧客」を連れていくので危険は倍増です。
多くのツアー客がいたため、山頂付近は渋滞状態。
本来なら下山を済ませておかなければいけない時間でも残っていて、結果天候の悪化で下山できなくなり……。
この映画を観たときに「トムラウシ山」での遭難事故を思い出しました。
山の規模こそ違いますが同じく商業登山での事故です。
登山など楽しいとは思いますが「商業」としたときの危険性について問いかける作品だと思います。