「私の帰る場所」では、テントが寝室に、トラックが洗面所に、公園がキッチンとなります。愛が生まれ、衝突や暴力が起きるところでもあります。人はどこであれ、最後に流れ着いた場所に自分のための住処を作るのです。監督のペドロ・コスとジョン・シェンクが、ホームレス問題を取り上げると決めたときに掲げた目標は、どのような形であっても、人間味あふれる作品にすることでした。2人が描く路上生活を送る人々は、依存症、心の病、性的虐待、同性愛嫌悪、医療費、障がいといった様々な不遇の事情がなければ、ほんの数ブロック先や同じ建物の別の階で心地よく寝ている人々と何ら変わりない生活を送っていたはずの人々です。ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルに際限なく押し寄せる不動産開発の波の傍らで、コスとシェンクは3年以上にわたって20人を超えるホームレスの日常生活を撮影し続けました。その日常のシーンの一つひとつが、今日のアメリカでホームレスになることがどういうことかを物語っています。異なる製作期間において撮影された映像を調和させて描いた本作は、ありふれた風景に並行して存在する世界へと視聴者を誘い、アメリカで保護が行き届いていない人々の規模、範囲、そして多様性といった問題の深刻さを突きつけます。「私の帰る場所」は、それぞれエミー賞受賞者であるコスとシェンクが共同監督を務める初の作品となります。本作はNetflixとActual Filmsが共同制作を行い、ボニー・コーエン、セリン・マーシャル、リチャード・バージがプロデューサーを務めます。
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