人によって大きく評価が分かれると思います
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月6日 19時50分
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総合評価:
4.0
タイトルから「十二人の怒れる男」を連想しました。
ラストの「挙手」の場面があるので、やはり「怒れる」をオマージュした作品なのではないかと思います。
「怒れる」のほうは舞台を見たことがあります。
この作品は十二人の未成年者たちが、とある廃墟に集まり集団自殺をしようというところから始まります。
それぞれが悩みを抱え「死にたい」と思っている子どもたち。
「怒れる」と同じく全員賛成一致で安楽死が決行されることになるのですが、なぜか十三人目の存在が明らかに。
その存在が決行を阻害することになります。
物語としてはありがちで、キャラクターの個性のつけ方も単純ではありますが、面白くみることができました。
この映画は希死念慮がある、またはあった人なら入り込める作品かと思います。
私自身、かつて希死念慮がありました。
「死にたい」というのは本当に「死にたい」のではなく、生まれてきたことの悲しみの発露なんですよね。
その部分の微妙な気持ちが理解できない方だと、面白くない作品かとおもいます。
物語の終わりの方で、登場人物のひとりが「みんなの話の続きをもっと聞きたい」というようなセリフを言います。
そこで「私も私の物語をもっと進めたいな」と感じました。
終盤、先に挙げた「挙手」のシーンがとてもよかったです。