たけし流、本能寺の変
2023年12月27日 13時53分
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総合評価:
4.0
賛否両論ある映画だが、個人的にはとても楽しめた。
たけしの大河ドラマなどに対するアンチテーゼにも感じた。
歴史なんて、そんな小綺麗なもんじゃねーだろ!って感じで、「アウトレイジ」にも通ずるクセの強い登場人物たちの泥臭い人間関係が展開されていく。
合戦シーンも迫力はあるが、そこがメインではなく、武将たちの人間性(非情で暴力的だったり、狡猾なふるまいだったり、臆病だったり)がコミカルに描かれた群像劇だった。
そんなたけし流アレンジに乗れるか乗れないかで、本作の評価は分かれると思う。
個人的には、このいかにもたけしらしい演出、登場人物たちのやりとりが最後まで楽しかった。
また、男色文化がしっかり描かれているのも面白い。
あくまでたけし流解釈の本能寺の変なので、史実は…とか、時代考証が…とかの批判はお門違いだと思う。
あと、たけし(秀吉)の演技がダメとか、秀吉が老けすぎとかの意見もあるけど、そこはたけしワールドの時代劇なので、自分は気にならなかったかな。
真面目な時代劇ならノイズになるかもだけど…。
あとひとつ感じたのは、本能寺の変、信長、秀吉、家康くらいは日本人なら知ってると思うけど、その他の歴史的登場人物(架空の人物は除く)やその関係性、登場する合戦やその後の歴史的流れに詳しい人だとさらに楽しめると思った。
自分は、荒木村重や高松城の水攻めなど、けっこう知らないことが多かった…。