辛い、でも見なければ
2021年9月19日 11時47分
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総合評価:
4.0
本作はレイプ事実の有無が争点となるジョディ・フォスター主演の法廷ドラマである.冒頭で被害者の女性サラがバーを飛び出し,通りすがりの車に助けを求めて警察へ行くところから始まる.サラの証言によって3人のレイプ犯が逮捕されて裁判にかけられるも,相手方の弁護士が有能ですぐに保釈となる.
サラはこの判決に失望するものの,彼女自身にも弱みがあった.彼女はマリファナ所持の前科があり,事件当日もマリファナを吸い,酒を飲んでいた.一向に犯人たちに罰がくだらない現状に対し、サラは心身ともに疲れてしまう.
Me too運動がまだ記憶に新しい今になって鑑賞すると「戦わなければならない」と思う一方で,被害者にも責められるような,あるいは社会的にとがめられる要素をもっていると助けがたいと思ってしまう.正直,サラにも大いに問題はあった.あんなふうに男性に絡んで何をされても仕方がないと考えてしまう.ただ,あくまでそれは被害者に対する感情であり,加害者の行為を考えれば有罪でまったく問題ない.問題なのは被害者によって,全体への判断が濁ってしまうことにある.
ジョディ・フォスターが暴行を受けるシーンは正直吐き気を伴った.辛く感じる人もいるかもしれないが,作品自体は悪くないので軽くお酒をいれてから鑑賞をおすすめする.