空の青さを知る人よ
ミュージシャン志望で17歳の高校生・相生あおいは、両親を亡くして以来、恋人との上京を断念し親代わりに自分を育ててきた姉のあかねに負い目を感じていた。あるとき、あかねの元恋人で上京してから音信不通になっていた金室慎之介が、音楽祭のために町へ戻ってくる。同じころ、13年前の過去から時間を超えてきた18歳の慎之介・しんのがあおいの前に現れる。
東京は遠くもないけど近くもない、絶妙な「田舎町」の男女の絶望と希望みたいなファンタジックかつセンチメンタルなお話。 冒頭の川の上に掛かる長い歩道橋で、夕暮れ時、迎えを待つ主人公の高校生「相生 あおい(凄い変な名前!)」が手持ち無沙汰にベースギターでかき鳴らす、とある古い有名曲の旋律のシーンで、もう既にノックアウトされてしまうセンスの素晴らしさ。 この曲はある意味本作の裏の主題歌と言ってもよく(オモテはあいみょん)、何度も劇中に登場しますし、一説によると、この曲がエンディングに使用されたTVドラマが物語のモチーフになっているのではないか?というふしがあり、確かにファンタジックさや、夢の別天地をめざしたり、井の中の蛙大海を知らず(タイトルの元ネタでもある)、といった共通点が見受けられる。 あおいの姉「あかね」と、夢を追って東京に行ってしまった元カレ「金室 慎之介」との切な過ぎる関係は、とうに青春の時期を過ぎてしまった年齢層にとてもぶっ刺さること請け合い。 意外なあのお方の、声優としての才能の発見があったりしますし、かなり大人向けのアニメ映画ですね。
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