「落としただけ」と言うか……
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月22日 11時48分
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総合評価:
3.0
スマートフォンを落としたことがきっかけではじまる恐怖の物語です。
物語の発想はいい感じです。
ただ、主人公たちが情報弱者にもほどがあるため、物語に没入できないのが難点。
まず、拾ってくれた人に対し「第三者に預けてもらう」のは大失点。
ここは警察に届けてもらうのが筋ですし、安全です。
また、ロック番号が誕生日なのも今どきの若者としてはあり得ないほどのセキュリティ意識。
そして事態は「スマホを落とした」ことによる恐怖が始まるのですが、スマートフォンをロックされてネットでしか会ったことのない人物にロック解除を依頼するというのもあり得ません。
ショップにいって相談するのが普通です。
あと、SNSのパスワードは届いたメールではなく、SNSそのものにログインして変更しましょう。
スマートフォンがロックされて、金銭を強請られるあたりも、私なら普通にSIMカード抜いて警察に届けた後にショップに行きます。
驚きはしますが、悲鳴をあげるようなことでもないです。
こういった余りにもずさんすぎる……というか、セキュリティ意識にかけすぎている動きが前提となっているのが大変惜しいです。
物語の裏で動いている殺人事件。
その犯人はなんとなく想像できるのですが、ミスリードを仕掛けてあるのがいいです。
それがやがて主人公たちへリンクしていく辺りも面白いですし、犯人と対峙する舞台設定もいいです。豹変した犯人の怪演もみどころ。
いい部分が多いだけに、前提となる部分のずさんさが目立ってしまいました。
SNSが登場するなど、現代的な犯罪を描いており、面白い部分も多くはある作品でした。
前提部分の説明にかなりネタバレが多いですが、セキュリティへの喚呼として記してみました。