『7本のキャンドル』(1995)で第52回ヴェネチア国際映画祭金のオゼッラ賞(脚本賞)、『ダンス・オブ・ダスト』(1992製作、1998解禁)で第51回ロカルノ国際映画祭銀豹賞、『少年と砂漠のカフェ』(2001)で第19回ナント三大陸映画祭グランプリなど、数多くの映画賞に輝くイランの名匠アボルファズル・ジャリリ監督が、日本との共同製作で今なおイランの人々に愛される14世紀に実在したペルシャの詩人ハーフェズをモチーフに描く悲恋物語。ヒロインのナバート役に日本から「時効警察」(2006)の麻生久美子が参加している。コーラン暗唱の修行をし、試験に合格した者だけに与えられる称号“ハーフェズ”を受けた青年シャムセディン。彼は高名な宗教者の娘で、チベットから帰ってきたナバートにコーランを教える役を任される。直接顔を合わせることなく、壁の窓越しにコーランの授業は始まった。外国育ちでペルシャ語もままならないナバートにアラビア語のコーランは難しかったが、ハーフェズは丁寧に教えていく。やがて、お互いへの想いが募った2人は、詩を詠み交わすようになるが、その行動を糾弾され、シャムセディンはハーフェズの称号をはく奪され、家を焼かれてしまう…。
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