タイトルのイメージをぶち壊す内容。
2021年8月28日 23時01分
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総合評価:
4.0
イギリスのニューカッスルを舞台にした家族ドラマ。
ほっこりしたパッケージにタイトルからして、温かみのある内容をイメージするかもしれませんが、とんでもない。
働いても働いても楽になるどころか逆に生活が立ち行かなくなるワーキング・プアの地獄絵図。ブラックな運送会社に勤めたばっかりに、トイレにすら行けない極限の忙しさの中ですり減っていく父親。
汚物まみれの老人を洗って、夜中にまで呼び出される介護士の母親。
そんな親の心子知らずでグレる高校生の息子。
たったひとつの太陽のように家族を照らしていたハズの幼い娘も、心に闇を抱えていた・・・。
余りにもリアルで救いのない家族の行方からまったく目が離せない。
底辺を生きる人々にとことん寄り添い、理不尽な現実をあぶり出す。『私は、ダニエル・ブレイク』に続く、ケン・ローチならではの秀逸な人間ドラマでした。
ラストは正直、呆気に取られてしまいました。
唐突です。だからこそ、心に残るのかもしれません・・・。