ある日どこかで
古い肖像写真の美女に恋をした青年が、時空を超えて憧れの人のもとへ会いにいく姿を描くSF恋愛映画の名作。母校で初演を迎えていた新進の劇作家リチャードのもとへ現れた老婦人は、金時計を手渡すと“帰ってきて”という言葉を残し去っていく。数年後、再び母校を訪れたリチャードはその町のホテルで一枚の肖像画に心を奪われる。そこに描かれた美女エリーズは、かつての老婦人の若き日の姿だった。日増しに膨れ上がる“彼女”への想いに苦しむリチャードは、ついに時間の壁を越えエリーズと出会う……。
この映画「ある日どこかで」は、初恋にも似た瑞々しい恋の予感をうまくとらえ、恋の高ぶりを知った時の、胸が切なさで締め付けられんばかりの思い出を、えも言われぬ訝しさを、そっと心の奥底にしまい、いつまでも大切にしておきたい----と、ほろ苦くも切ない思いにさせてくれる、そんな素敵な映画なのです。 「カム・バック・トゥ・ミー」----、クリストファー・リーヴが劇作家としてデビューしたパータィの日、彼の許に知らない老婦人が訪れ、そう囁くのです。 それから8年後、リーヴは滞在したホテルの資料室にある、絶世の美女のポートレートに魅かれ、彼女のことを調べるのです。 そして、この美女は、70年前の大女優で、あの謎の老婦人がその女性だったことを知ったリーヴは、その時代へのタイムトラベルを試みるのです----。 この女優の正体を探るミステリアスな前半から、過去へと旅をし、湖畔で初めて、「あなたなのね」と呟く彼女との出会いに始まるラブロマンス。 一歩間違えれば、実に陳腐な三流のメロドラマになったところを、限りなき美しさに彩られた上質の名作に仕上がったのは、"時の流れ"というものが、そこに横たわっているからだろう。 このクリストファー・リーヴとジェーン・シーモアのロマンスは、時間という絶対に越えられないものによって阻まれてしまうのです。 その壁が越えられた時、この物語はノスタルジックな世界の中に"夢物語"として美化され、かつてのハリウッド黄金期の"甘美で華麗な世界"に足を踏み込んだような錯覚を覚えてしまうのだ。 それほどまでに、想い出にも似た、過去の風景はひたすら美しく、ジョン・バリーの音楽もひたすら甘く効果的だ。 壁のシーモアが微笑むポートレートは、まさに彼女がリーヴに愛を告白した、人生で最高に幸せな瞬間のもの。写真に封じ込まれた、その至福の時は永遠に続く一方、リーヴと時の流れに引き裂かれた彼女は、その生涯を60年後に会える彼のためにホテルの一室に封じ込めるのです----。 そして、待ちに待った再会の日、といってもリーヴは未だ彼女を知らない、切ない不幸な出会いの日、彼女は静かに息を引き取るのです。 とにかく、この映画で素晴らしいのは、ジェーン・シーモアの比べようもないほどの美しさ。 女優というものが、その生涯において、最も輝いていた時を、「ある日どこかで」の中で見せてくれています。 彼女の美しさこそが、この映画を名作の域にまで高めたのだし、我々観る者をこの世界に魅了してやまないだろうと思うのです。 上質のメロドラマと、タイムトラベルというSF的要素を巧みに織りまぜて、"ノスタルジックな感性溢れるファンタジー"に仕上げた、まさに名作だと思います。
別に映画史に残るような大作でもなければ、大ヒットした娯楽作品でもありません。実際、私も何の予備知識もなく、見る前は特に期待もしていませんでした。しかし見終わった後に、この作品に一票入れたくなる、そんな映画です。 この映画は1980年にアメリカで、日本では1981年に公開されました。当時もさほど話題にはならず「スーパーマン」のクリストファー・リーブが主演しているぐらいの情報でした。今考えるとどう宣伝して良いのか、配給会社も分からなかったのかもしれません。 この映画はタイムスリップ物です。タイムスリップラブファンタジーとでも言いましょうか。現在の青年(当時は1980年)が1912年に行ってそこで当時の女優(ジェーン・シーモア)と恋に落ちる話です。こう言ってしまうとそれだけに聞こえますが、なぜ1912年に行くのか。なぜ女優に惹かれていったのか。そういった事が緻密に、ロマンティックに描かれています。また美しい風景、セット、衣装も品良くまとまっています。 もう一つ。全編に渡る音楽が素晴らしいです。音楽を担当しているのが007のテーマを手掛けたジョン・バリー。この映画のテーマ曲はその美しさもあって、スケートの浅田真央選手も演技で使っていました。
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