切ない殺人者
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年9月5日 16時53分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
ちょっと不思議なタイトルに惹かれて視聴しました。
主人公・亮介はカフェを経営し、恋人とも婚約中。
しかし、状況は一変。恋人は失踪し、父親は末期ガンに。
「ユリゴコロ」というのは父親の書斎に隠されていたノートのタイトルです。
偶然見つけたそのノートを読むことで物語が始まります。
書いたのは美紗子という女性。内容衝撃的なものでした。
物語が始まってすぐに「ユリゴコロ」の意味が分かります。
ここではあえて伏せますが、美紗子は人を殺すことに「ユリゴコロ」を追い求めているのですね。
そうしなければ生きられない悲しみがひしひしと伝わってきました。
やっと手に入れた「普通のユリゴコロ」が崩されていくのも切ないです。
ノートを読む亮介がそれにどんどん惹きこまれていく姿がリアルに描かれていました。
やがてノートと亮介が置かれている状況がリンクしていきます。
「幸福」ってなんだろうなぁ、と深く感じさせられる映画でした。
性的暴行が描かれるシーンもありますので、そういったのが苦手な方は注意です。
美紗子は人に気づかれずに「うまく」殺人を成し遂げてしまうのですが、いくらなんでも無理がないか?というシーンもあるのが少し惜しいです。