将棋を知らない人でも大丈夫
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月19日 15時00分
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総合評価:
4.0
羽生善治に劣らぬ将棋の才能を持ちながらも、持病により29歳の若さで夭折した天才棋士・村山聖の生涯を描いた作品です。基本的には村山君を中心とした人間ドラマであり、将棋のシーンはそれほど多くないので、ルールを知らない人でも見ることができます。
全国から将棋の天才と呼ばれる少年たちが集まる奨励会。
プロ棋士となるために争い続ける場所、そして、それを叶えプロになったとしても、その先に待っているのはほかのプロ棋士たちとのさらなる闘いの世界。
壮絶な命の取り合いに身を投じていく聖の姿は涙なくしては見られません。
その一方で家族や師匠、時には敵同士でもあるほかのプロ棋士たちとの交流が清々しいです。泣いて笑って、時には喧嘩もしながら成長していく聖たちの姿が生き生きと描かれています。
人生の儚さと必死に生きる人たちの美しさ、自分で決断することの大切さ、そんな当たり前なのに忘れがちなことを教えてくれる作品なので、特に若い方たちに見ていただきたいです。