楽しいミュージカルとパフォーマンスを通じて、映画の歴史を見れる作品。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年7月28日 22時10分
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総合評価:
5.0
一度は聞いたことがある有名なテーマ曲を提げて、無声映画からトーキー(音付き)映画への、実際に起こった歴史的技術革新の渦中にあったハリウッドを舞台に、新たな映画制作への奮闘を描いたミュージカルコメディの傑作。
劇中での主演のジーン・ケリーを始めとした演者のもはや狂気の沙汰とも言えるほどの高いパフォーマンスと、印象深い名曲の数々に彩られて、映像的な満足感は十分。そして何より、本作では、無声映画からトーキー映画への移行を物語のテーマに置いているのが面白い。
史上初のトーキー作品『ジャズ・シンガー』の登場で映画に音がつくという技術革新が起こったハリウッドでは、後に続けと、次々にトーキー制作に乗り出し始めていた。しかし、その裏側では、マイクの位置をどうするかや、役者の声が外見のイメージとかけ離れている、新たに発声練習を行ったりなど、今までの映画の作り方と大きく変化し、幾人もの映画人達が、初めての試みに大変な苦労を重ねながら、映画への情熱を傾けていた。
こういった当時の映画人の夢と苦悩を追体験出来る点も大きな見どころの一つであり、ミュージカル、コメディ、更に歴史ドラマと、多面的な魅力を味わえる名作。
イメージワード
- ・楽しい
- ・切ない
- ・かっこいい
- ・コミカル
- ・ロマンチック