コメディの基本と反戦
2020年6月23日 15時40分
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総合評価:
4.0
有名な映画で古典ともいえる作品なので、一度見ておかなくては、といったいわば「教養」的な感じで観たのですが、想像以上に面白かったです。
チャップリンの動きや演出のすべてが計算された「おかしみ」を醸し出していて、笑いっぱなしになりました。
例えば、「振り向きざまに開けっ放しのドアにぶつかる」とか「滑って転ぶ」「何かに夢中になっていて別のことがおろそかになる」という動きや、エライ人のモノマネといったことは、今でもドタバタコメディの基本といえるでしょう。ここに原点があったんだなあ、などと思いつつも、その動きの滑らかさについつい笑わされてしまう感じがありました。
ヒトラーを思わせる人物へのおちょくり具合は、当時これをヒトラーや取り巻きの人々がどうとらえたんだろうと思うと痛快でした。
その一方で、戦争やナチスドイツに対する批判は鋭く、最後の演説は「床屋にしては弁舌さわやかすぎる」と思いつつも、耳を傾けずにいられませんでした。