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「絶望の島で生きる希望を見出す」 硫黄島からの手紙 fu1ru2kさんの映画レビュー

硫黄島からの手紙 Letters from Iwo Jima

絶望の島で生きる希望を見出す

2021年7月29日 18時24分 役立ち度:0人
総合評価: 4.0
二宮和也扮する主人公・西郷昇が硫黄島の海岸沿いで、鬼のような上官からムチを喰らうオープニングはかなり衝撃的でした。たまたまその現場を通りかかった陸軍中将栗林忠道は、西郷のような名も無き一兵卒からすれば雲の上のような存在でしょう。下級の兵士への体罰を禁止する人道的な一面もあるかと思えば、アメリカへの滞在歴もあって進歩的。猛烈な飢餓と理不尽な暴力が横行するこの島の中で、ふたりの間に芽生えていく身分を越えた絆が伝わってきます。
激しい戦闘シーンの合間にフラッシュバックのように挿入されていくのが、内地にいた頃の西郷の穏やかな生活ぶりです。小麦粉の配給が滞る中でも創意工夫を凝らして焼き上げるパンや、心優しい妻との何気ない会話に希望を感じました。
犬を射殺することを拒否して左遷させられた元憲兵の清水、国家のために命を捨てることを心情とする海軍指揮官の伊藤。戦地にやって来た理由は千差万別で、それぞれが複雑な事情と持論を抱えているために一筋縄ではいきません。個性豊かな登場人物の中でも、果たして誰が生き残るのか予想しながら観てください。
詳細評価
  • 物語
  • 配役
  • 映像
  • 演出
  • 音楽
イメージワード
  • ・絶望的
  • ・知的
  • ・勇敢
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