実際にあったテロ事件がテーマです。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年7月20日 20時51分
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総合評価:
5.0
2008年にインド・ムンバイで起きた、実際の同時多発テロ事件を描いた作品です。
物語も事実に沿って描かれています。
観終わったあとの感情は「怒り」でした。
テロの場に少年たちを送り込み、死なせた首謀者への。
舞台となったタージマハルホテルで、ホテルマンたちが客を身を挺して守っています。
一方、テロ実行犯の少年たちを完全に悪として描くのではない点もよいです。
盲信し、洗脳されてしまっている彼ら。
作中にずっと鳴り響く銃声が少年たちの悲鳴にも聞こえました。
中でもホテルマン・アルジュンが非常にいいです。
彼はシク教徒。
頭にはターバンのようなものを付けており、イスラム教徒に見えます。
登場時は頼りなさそうだった彼が、そのターバンをこれは自身の高潔さの表れである、しかし客が不安なら取ると言うんですよね。
そのターバンは作中で客の手当てのために外すことになります。
アルジュンは不器用ながらも客を守り抜きます。
首謀者は現在も捕まっていないとのこと。
電話越しで指示を出していただけの彼は、この作品を観ることはないでしょう。
少年たちの最期の叫びが心に残る作品でした。