良くも悪くも連作の1作目
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月27日 13時33分
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総合評価:
4.0
迷路を軸に据えた世界観とストーリーにまず引き込まれ、隔絶されたコミュニティでの「掟」や、徐々に明かされる主人公のトーマスの記憶をはじめ予想のつかない展開の連続で、登場人物たちの奮闘や葛藤、衝突もあったため最後まで面白く見られました。
また、コミュニティで青少年たちが何もわからない状況にも関わらず、慎ましいながらも自給自足の生活を送り、時には宴会(キャンプファイヤー)もするシーンは少し微笑ましいです。
ただ、謎めいた世界観は魅力的でしたが、一方で良くも悪くも連作の1作目のため、今作だけでは全体のストーリーは完結せず判明しない設定や謎が数多く残ります。
肯定的に捉えれば「想像や考察の余地が大きい」と言えますが、否定的に捉えれば「中途半端なところで終わる」とも言えます。
今作のみでも肝心の迷宮を冒険するシーンが限られており、迷宮内の危険や脅威もグリーバーと地形の変化くらいしかないためどうしても物足りなく感じてしまいます。
世界観や設定、登場人物は良かったですが、ストーリーは続編が前提になっており、迷宮の描写が一部気になる作品でした。
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