ホテルが超すてき!このホテルは実際あるらしいです。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月31日 14時51分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
1980年公開、スタンリー・キューブリック監督の作品で、原作はホラー小説家で有名なスティーブン・キングの作品です。
主役のジャック・ニコルソンの鬼気迫る演技が見もののホラー映画です。
物語は、コロラド州の山奥にあるオーバールック・ホテルで行われます。小説家志望の主人公ジャック・トランスがが冬季の間、雪深くなるため閉鎖している間、ホテルの管理人として雇われます。
雪は5ヶ月間もの間積もり続け、建物の被害を避けるためボイラーを炊き続けなければなりません。仕事はそれだけの簡単な仕事ですが、ホテルのオーナーが言うには、ときにその5ヶ月の間ホテルに居続ける孤独に耐えられなくなるものもいるとのこと。しかし、ジャックはちょうど小説の新作を書きたくて、静かな環境はちょうど良いと承諾し、オーナーもそれを聞いて安心します。
最後にオーナーはホテルに案内する前にもう一つ話しておくことがあると言います。「脅かす気はないが、この話で尻込みする者もいた。聞いてないだろうな1970年の冬の悲劇を。私の前任者が冬の間の管理人にグレーディーと言う男を雇った。妻と幼い二人の娘がいた。ごく普通の真面目な男だったらしい、しかし、冬の間にすっかり神経が参ってしまった。斧で家族を殺した。自分は猟銃を加え自殺した。」そんなおどろおどろしい話をされたが、ジャックは苦笑し、「ご安心を私にそんなことは起きません。家内もこの話を聞けば面白がります。家内は幽霊や恐怖映画が大好きなんです。」と言って、妻と幼い息子を連れてトランス一家3人は雪深い山村のホテルへと向かいます。
そんないかにもな前振りでホテルに着きましたが、ホテルは実に豪華で、見れば一度は泊まってみたいと思うような素敵な場所です。
このホテルは実在するホテルで、現在もマジェスティック・ヨセミテ・ホテルとして運営されています。
続いて支配人のディックがホテルのキッチンを案内するのですが、このキッチンがすごいのです!
天井は4mはあろうかと言う高く広々とした空間で、ホテルの業務用器具のありとあらゆる道具が揃っています。あまりの広さに案内される妻のウェンディ・トランスは「どこもかしこも迷路だわ、目印がないと迷っちゃう。」とその広さを愉快に表現しています。
次に支配人ディックが案内してくれるのは、肉用の冷凍庫。大の男が20人は入りそうな大きな冷凍庫の扉を開いて見せた両脇にはスチールの棚が構えられ、「リブ・ローストが15匹分、ハンバーガーが160キロ、七面鳥もチキンもサーロイン・ステーキも、ポーク・ローストもラムもある。」なんと贅沢なんでしょう。そのあと案内される乾燥食品や缶詰瓶詰めの食品が保存されている倉庫も4〜5リットルは入りそうな大きな瓶や缶詰が大量に保管されています。ディックは「フルーツや野菜の缶詰、魚や肉の缶詰も、各種の穀類も。ポースト・トースティー、ライスクリスピー、オートミール、小麦のクリーム、黒砂糖も12壺ほど、乾燥ミルクも60箱、乾燥ピーチ、乾燥アプリコット、乾燥レーズン、乾燥プルーン。」この夢のようなキッチンで一体どんな食事を作るのだろうとワクワクしていると、シーンが次の日の朝に変わり、妻が初日の朝食をキッチンワゴンに積んで寝泊まりしている客室に運んで来ます。
しっかり料理が冷めないようにシルバーの皿に被せる蓋もして持って来ます。
どんな贅沢な料理が出てくるのかと思ったら、ただの目玉焼きとトースト、オレンジジュース、と実に質素な食事が出て来ます。
うーん、なんともがっかり…。アメリカ的な食事なのでしょうか、最初に期待させるような贅沢なキッチンを見せるのに、結局終始最後までこれと言った料理は出て来ません。きっと奥さんは料理が苦手なのでしょう。
しかし、この映画に出てくる空間はどこも素晴らしく、客室も、廊下も、浴室も、フロントも、ホールも、バーも、庭園も、外観も、トイレでさえ、その全てが洗練され、美しいです。
子供は三輪車でホテル中を走り回ったり、ジャックはバーで一人で飲みあかしたり、こんな夢のような場所で家族で過ごしてみたいと思いますが、それを上回る、絶対にこんなとこ行きたくないと思わせる恐怖が家族を襲います。
うーん私がこの映画で思うのはやっぱり「良いなあこんなの独り占めで楽しんでみたいなあ。こんなキッチンで好きに料理してみたいなあ」と思いましたw