Diner ダイナー
孤独な女性オオバカナコは、怪しいサイトのアルバイトに手を染めたことでどん底に陥り、とあるダイナーにウエイトレスとして売られてしまう。重い鉄の扉を開けると強烈な色彩が広がるその店の店主は、以前は殺し屋だった天才シェフのボンベロ(藤原竜也)。そこは、凶悪な殺し屋たちが次から次へと現れる、殺し屋専用のダイナーだった。
さすが蜷川実花作品、色彩豊かな映像美で殺し屋たちの目を覆うような悪の世界を美しく描き出しています。主人公オオバカナコの送り込まれる殺し屋専用のダイナーで腕をふるう美しき天才シェフ、ボンベロを演じる藤原竜也は、その冷徹さを華麗なせりふ回しで見る者を惹きつけてくれます。中でも、「俺はこの店の王だ。砂糖の一粒までもが俺に従う」は痛快な名台詞だと思いました。まるでミュージカル映画を見ているような感覚にさえなります。恐怖でしかない悪意がうずまくダイナーの世界観の中、ボンベロとオオバカナコの間に生まれる切ない優しさは緊迫する場面が続く中、見る側にオアシスのようなホッとする心地よさを与えてくれます。目まぐるしく展開していくストーリーに花を添えているのが斎藤工、小栗旬、真矢みき、窪田正孝などの豪華俳優陣。彼らの創り出す壮麗な悪の世界観は、怖いのに楽しい、極悪なのに魅力的、そんな不思議な感覚を覚えます。スカッとしたいエンタテイメントを楽しみたいときには極上の映画だと思います。
このレビューにはネタバレが含まれています
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