実話を元にした作品
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月9日 12時32分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
パッケージをみて、どこかで見たような絵だなーと思っていたら実話が元でした。
大きな瞳の子どもを描く女性・マーガレット。
その作品は世間には評価されていませんでしたが、ある時から状況が変わります。
それは後に夫となるウォルター・キーンとの出会い。
彼もまた絵を描く人物でしたが、それよりなによりも「人に懐く」ことに長けていました。
ウォルターは彼女の作品をマネジメントしようとするのですが、とっさについた嘘「自分が描いた」という言葉から問題が発生していきます。
このウォルターは大変明るく、一見人当たりのいい好人物として描かれているのがおもしろいです。
一方でウォルターが売るための作品を黙々と描き続けるマーガレットの姿が痛々しいです。
この対比があるからこそ、ラストシーンが活きてくるんですよね。
マーガレット自身、彼が「自分の作品だ」と言っていることに大きな不満を抱いています。
物を作る人にとって、その作品は我が子のようなもの。
それを脚光をあびるために使われたのではたまったものではありません。
物語はやがてマーガレットが告発する形で裁判へと向かいます。
そして出された「では描いてみて」という裁判官の要望。
ここからが大変痛快でした。
「アイデアがおりない」と描かないウォルターに対し、易々と描きあげていくマーガレット。
最後に「この作品名は?」と聞かれ「証拠物件NO〇〇(数字忘れました)かしら」と答えるのが面白かったです。