「本性」が現れてからがみどころ
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年12月28日 12時44分
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総合評価:
4.0
子を流産し、その悲しみと苦しみから逃れるために迎え入れた養女が巻き起こす恐ろしい物語です。
なんといっても主人公・エスターを演じる女の子がうまいです。
知性を秘めた穏やかさ、それに反する狂気を演じきっていて惹きこまれます。
エスターには大きな秘密があるのですが、それをなんとなく感じさせるのも面白いです。
本性を現し始め、養父母の実の子を支配していくさまも怖いです。
これがまたうまいことごまかして支配下に置くんですよね。
まあ、その「うまいこと」できる理由がエスターの最大の秘密なのですが。
養母・ケイトもまたエスターの罠にかかっていき、観ていてハラハラします。
しかし、養父・ジョンを巡るエピソードは少し切なかったかなぁ。
怖ろしい企みがあるのですが、エスターの「真の姿」を知ってから、ジョンを誘惑したシーンを思い出すと彼女の悲しみも分かるんですよね。
エスターについての経歴がよく分かっていなかった、というところは詰めが甘い感じがしますが、そこが分かっていたら物語が成立しないのでこれはこれでいいかと思います。