非現実だけど、恋人を大切にしようと思える作品でした。ハンカチ必須です。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月19日 11時12分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
南山高寿は、福寿愛美を一目見た瞬間、恋に落ちたー。それから告白し、交際がはじまり、初めて手をつなぎ、初めて名前で呼び合う、そんな初めてのことがあるたびになぜか泣く愛美のことを少し不思議に思いながらも、より愛美への愛情を深めていく高寿だったーー。しかし、時がたつにつれ、福寿愛美の謎が解明されていってーー!?って話です。
正直にいって、設定が非常に辛いです。ずるすぎます。感動するしかありません。
主人公にとって1日目は彼女にとっての30日目、つまり、主人公からすれば、昨日過ごした思い出が彼女にはなくて、彼女からすればどんどん主人公と距離があき始めて最後には赤の他人になるというどっちも非常に辛い設定になっています。
だが、この映画のよいところは、完全に辛いままで終わるのではなく、主人公と彼女がちゃんとお互いを理解しあって、受け止め合うところです。
彼女は最後、電車で主人公にあって「彼の元にたどり着いた」っていって泣きそうな笑顔で終わるところが感動でした。鳥肌ぞわってたちました。
彼女にとっては終わりだが、彼氏にとっては、これから彼女との新たな物語が始まるから、それを理解して彼氏の元へいく彼女の健気な姿に胸を打たれました。
現実では味わえないこの感情や考えさせる機会を与えてくれるって素晴らしいと思いました。とにかく、辛いし、現実的ではないけど、僕が受け取ったこの映画のメッセージは、人を大切に、毎日を大切に、実は今この瞬間もかけがえのないものなんだということです。
「ぼくたちはすれ違ってなんかいない。端と端を結んだ輪になって、ひとつにつながってるんだ」というセリフが印象的でした。
毎日何げなく過ごしているけど、家族や友達、恋人を大切にしていこうと思える作品でした。