心があたたかくなる
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月31日 15時38分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
祖国がクーデターになり、言葉も分からない国の空港に取り残される。どれだけ心細くて不安なんだろうって考えました。それをテレビのニュースを見てやっと理解したときのビクターの表情は、こちらまで涙ぐむほど胸にささるものがあります。
何度かニューヨークに行けるチャンスが生まれそうなときにも、正攻法でしか行こうとしないビクターは堅物そうでありながらも、純粋で真っすぐな人間で、次第に空港職員たちと打ち解けていく様子は心温まるものがありました。
ただ、ちょっと共感できないなと思ったのはアメリア。美人で仕事もできるCAなのに恋愛は不倫でダメ男に惹かれてしまう。もう早くビクターとくっつけばいいのにと何度も思いました。だってビクターの方がずっとずっといい男ですよ。
でもそんな全部はうまくいかない恋愛模様が、妙にリアリティがあってこの映画を身近に感じさせる要素の一つなのかなとも思います。
そして、ビクターがずっと大切に持っていたピーナッツ缶の中身。お父さんの為にニューヨークへ行こうとしていたビクターの優しさと家族愛の深さに胸が熱くなりました。定期的に見たくなる、心があたたまるいい映画です。