バットマンに登場するジョーカーを主人公とした映画です。
まずジョーカーといえば闇を牛耳る悪のカリスマ。
知的でメンタルも強く、超人のバットマンに人として対等に争う
腕力ではない不気味さを持ったキャラクターとして描かれてきましたが。
今回のジョーカーは”どこにでもいる普通の人”です。
身近な家族、友人、恋人。自分さえもジョーカーになる可能性があるんだと
考えさせられる作品になっております。
なので「悪のカリスマの誕生」というよりは、
「人は誰しもジョーカーになる要素を持っている」というほうが正しい気がします。
アメリカ作品で特徴的な自分たちを正義と肯定するような作品とは真逆になっているので
社会的に及ぼす影響を考えると、銃乱射事件のような模倣者を生んでしまうような
危険を伴った映画であります。
故に人には薦め辛い映画のように私は感じました。
さらにこの主人公、とにかく運がないんです。
監督の”普通の人で誰しも成りうるジョーカー”という要素に不運は不可欠なのです。
つまり見ていて辛い、ただ辛い、心が痛いのです。
この映画を薦めることは苦しむことを薦めることになってしまうのです。
ただ私はこの闇に落ちていく、活き活きと闇へ向かっていく物語に
変な爽快感を覚えました。それが社会的影響を危惧する感情です。
現代のアメリカ社会、かなり混乱しています。
バットマンではなくジョーカーを求めてしまうような時代になっていくのでしょうか?
苦しさの先にある1つの結末を見たいかたにはオススメしようと思います。
~うるうるまるの個人的な見どころ~
映画の一番初めのシーンです。上記の理由から脚本でアカデミー賞は難しいです。
しかし主演男優賞をこの役者はとりました。
一番初めのシーンにそれは凝縮されています。