42年前の軍事政権下の韓国の出来事なのだが、ものすごく今の日本の政権の状態を連想させ、日本にもイ・ビョンホン演じるキム部長のような人物がいないのだろうか?と、ついつい思ってしまうほどの緊迫感に溢れる政治ドラマ。
イ・ビョンホンの静かな男の色気が徹頭徹尾みなぎりまくる。特に乱れ髪を直す仕草がキマリすぎてどうしましょう、なレベルです(何度もそういうシーンが出てきます)。
中央情報部の部長が主役なので、もちろんスパイ映画の要素も盛り沢山で、1970年代という時代の雰囲気は諜報活動がとてもよく映えますし、アメリカやフランスなど韓国外のロケーションでのそれは、当時のスパイ映画のオマージュ的な画面構成になっているのもなかなかマニアックで良いです。
イ・ソンミンが演じるパク大統領が、長きにわたる独裁でかつての同士達をも捨て駒にせざるを得なくなっていく様が非常に印象的。
日本映画でもこうした題材の作品をたくさん作って欲しいと願わずにはいられなくなりますね。