こちらはディズニー版ではありません
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月4日 12時35分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
「美女と野獣」と言えばディズニーのそれが有名ですが、こちらはディズニーとは無関係。
おとぎ話の世界を、美しく描いています。
全体的に少し彩度が高く、そこに少しソフトフォーカスをかけたような映像となっており、物語の雰囲気が伝わってきます。
ディズニー版にあるような、ロマンティックでファンタジーな世界観というよりもどちらかというと現実的なラインに落とし込んでいます。
主人公のベルは富豪の娘。
しかし、父親が保有する船が沈没したため田舎に引っ越すことになります。
それを嘆く姉たちに対して、その場に馴染み、前へ進もうとするベルの姿が頼もしいです。
先に書いた通り、ディズニー作品ではないため、家具や小道具がしゃべることはありません。
しかし、きちんと「おとぎ話」として成立しているのがいいです。
ベルが野獣に対して恋心を抱く過程が少し弱いように思いますが、彼の辛い過去に対する共感が恋へと発展したと受け止めればいいのかもしれません。
物語は子どもに読み聞かせるという形で進んでいきます。
作中でも時折物語から外れ、読み聞かせのシーンが挿入されます。
一見邪魔に見えるシーンですが、実はとても重要。
「おとぎ話」の先が描かれているのが好ましいと感じました。