ハリーの行動力に圧倒される
2021年9月23日 09時27分
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総合評価:
4.0
「アクション・ヒーロー型映画」の原型となった名作であり、また後のクリント・ イーストウッド自身の監督作品の原型ともなっていると思われる。
説明的な場面、セリフなど省略されておりシンプルな展開である。
主人公の行動を端的に描写することで、行動スタイルを表現しているが、説明がない分ダイレ クトに見る側に伝わってくる。
無駄を省いた構成で、主題である主人公の非情かつ大胆なキャラクターを浮かびあがらせている。
映画が開始されて早々に、銀行強盗の現場に居合わせたハリーを描く。
ハリーは、迷うことなく44マグナムの大きな拳銃をぶっ放す。
組織内のしきたり、ルールにとらわれることなく、自分の行動哲学に従うのだ。
相棒であるチコとの対比でもハリーの行動信条が表現される。チコはハリーに協力的であるが、捜査の中で負傷し、妻の頼みで警察を辞め、教師へと転職してしまう。
常識的な相棒を配することでハリーの規格外のキャラクターを浮きだたせている。
1971年の作品であり、1930年生まれのクリント・イーストウッドは40歳くらい。
ドン・シーゲル監督とタッグを組んでの制作であるが、後の監督作品にも影響を与えているだろう。
無駄がなく削ぎ落された武骨なストーリーの美学が見てとれる。