もう少し幻想的なのを期待していたのですが……
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月24日 11時17分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
「ラ・ヨローナ」とは中南米に古くから伝わる伝承とのこと。
メキシコ語で「泣く女」という意味だそうです。
この「泣く女」という存在は北欧民話のバンシーにも似たところがあり、本作を観るにあたっては幻想的なのを期待して観ました。
この手の作品でよく出てくる神父による悪魔祓いではなく、呪術医がでてくるなどモチーフが大変いいです。
呪術医はアフリカなどにも存在し、こちらも民俗学的に面白い人物。
全体に漂う湿度も不気味さを出していていいのですが、残念なのが恐怖演出を「びっくり要素」に頼っている点。
取り上げているテーマが民話からなので、そこに頼るのはもったいないです。
確かにバーンと異形の者が目の前に現れると観ているほうもどっきりします。
しかし、びっくりする=恐怖ではないんですよね。
ストーリー自体は面白いので、演出が惜しかったです。
本作は「死霊館」シリーズのひとつ。
物語中にシリーズの「アナベル人形」がちらっと出てきます。
シリーズを知らなくても本作は理解できるので、興味があれば「アナベル」の方もおすすめです。