独特の映像美とゆで卵
2021年5月23日 10時25分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
私立探偵のハリー・エンゼルがある依頼者から「ジョニー」と呼ばれる男の生存確認を依頼され調査を進めるうちに、ある驚愕の事実に直面する、という話。
公開当時、日本でのTVCMの作り方がとてもうまく、この映画の中の美しいショットのみをうまく組み合わせて放送されていたのを思い出す。
つまり、画作りはなかなか良かったものの、物語はそのオチにちょっと面食らってしまう、というものだ。「ローズマリーの赤ちゃん」に似た衝撃、と言えばいいだろうか。
また、依頼者役のロバート・デ・ニーロのゆで卵のむき方が印象的で、以降時々同じようなむき方をしてしまう、というように、映画そのものよりもその枝葉の部分がとても印象に残っている映画でもある。
今鑑賞し直してみると、1987年公開の映画ということもあり、主役のミッキー・ロークの着る衣装が少しダブッとした感じで実に80年代っぽく、それがまたキャラクターに妙に合っていると改めて感じた。
途中場面はニューオリンズへと移っていくが、この展開は原作にはないとのこと。
けれども基本ハリーの一人称で展開していくハードボイルド的世界観で作られているこの映画においては、こういう背景の場面転換は観客を飽きさせないようにするうえでとても効果的であると感じた。
物語としてのオチはちょっとアレだけど、画面構成等色々と印象に残る部分も多い映画だ。