テーマ追求する姿勢
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月10日 20時02分
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総合評価:
4.0
本作のテーマは、まさに「世代交代」だと思われます。
様々な世代交代についての描写があります。
今思いつく限りでも、
・Mの世代交代
・旧作からのQの世代交代
・やり方が古いと言われた、MI6の世代交代
・怪我によって能力(検査上の)の落ちた、ボンドの世代交代
・Mのお気に入り(シルヴァからボンドへ)の世代交代
などです(私の解釈を含みます)。
また、上記の全てが本当に世代交代をするのかどうかということも、本作の肝であると思います。
上記の中で、私にとって印象的なシーンがあります。
それは、Qの世代交代に関するものです。
下に、言葉でそのシーンを表現します。
ボンドは、MI6の秘密兵器開発係、Qと面会するために、美術館へ出向きます。
はじめての両者の対面。
面会予定の場所のベンチに座り、絵画を眺めるボンド。
しばらくして、ボンドの隣に座る、華奢なメガネの若い男。
その男はボンドに、
「興味深い絵ですね」
と、いったことを話かけます。
ボンドは、一言返事をしたあと、その場を去ろうとします。
変な男に絡まれたとでも思ったのでしょう。
しかし、そのメガネの男は、次の瞬間、「007」という言葉を口にします。
その華奢なメガネの若い男こそが、MI6兵器開発部門の天才科学者、Qであったのです。
ボンドも面会前、Qの人相について、従来のような年配の男性とイメージしていたのでしょう。
しかし世代交代がテーマである本作です。Qは、若いが天才な頭脳を持った人物だったのです。
その描写には、年功序列よりも実力主義、オタクであるが天才といったパーソナリティーが注目を集める、といった現在の世相の傾向を現しているのであろうことに、感慨深さを覚えました。
またそれと同時に、シュールでコミカルなやり取りに、笑いを抑えることが出来ないシーンでもあります。
いずれにせよ、個人的にかなりお気に入りのシーンです。
イメージワード
- ・楽しい
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