透明感のある静かな映画でした。
2021年2月5日 11時57分
役立ち度:1人
総合評価:
5.0
父親と二人で暮らす15歳のチャーリーが、偶然に競走馬の世話をする仕事を手伝い始めることから物語が始まる映画ですが、全体的に静かに淡々と進んで行きます。
主人公のチャーリーは年齢的に社会的養護の対象なのですが、本人は医師や警官たちの勧めを振り切り一人で馬と共に荒野を進んでゆきます。主人公のチャーリーを演じるチャーリー・プラマーさんの抑制された静かな演技が秀逸でした。
全体的に映像に透明感があるので、チャーリーの困難な境遇にも関わらず、落ち着いた綺麗な映画となっています。
社会保障が何かと緊縮政策で削られていっている英国出身のアンドリュー・ヘイ監督の映画ですが、監督から見ると、英国と比べると米国は社会保障が何かと不十分で機能していないところが多く、米国社会自体が荒野のように感じたのかもしれません。
作家性の強い映画を作り続けている独立系映画スタジオA24の作品なので、「ムーンライト」などと同様に、他のハリウッド映画とはかなり違う作風の映画となっています。