レジェンダリー
13世紀初頭のアイルランド。ある修道院に収められている聖遺物「マティアの石」をローマへ運ぶことになり、信仰心のあつい若き修道士ダーマッドや、助修士ら一行が旅に出る。盗賊からの襲撃や恐ろしい古代の迷信に翻弄(ほんろう)されながらも、ダーマッドたちは懸命にマティアの石を守りながら巡礼の旅を続ける。そんな中、巡礼に参加して一行を守っていた騎士レイモンドが、マティアの石に途方もない価値のあることを知って強奪しようと考え……。
このレビューにはネタバレが含まれています
あらすじを見ると「ソード・アクション」と書いていますが、アクション風味は(わたしは)あまり感じませんでした。 どちらかというと、ロードオブザリングのようなファンタジー映画であるように思いました。 ロードオブザリングが指輪を捨てに行く物語なら、レジェンダリーは石を捨てに行く(若干の語弊あり)物語だと言えます。 物語が進んでいくうちに、修道士ダーマッドが中心となって旅が進んでいきます。ダーマッドはどうみても10代前半くらいの幼さで、彼を個人的に守るのがミュートという大男です。ミュートは名前で想像がつくように、一言も言葉を発しません。 上で石を捨てると書きましたが、本当は石(マティアの石)をローマに運ぶのが、彼ら修道士の使命です。 寒村に暮らす、選ばれた数名の修道士たちが、石を狙う者たちに追われながらローマへと旅する物語です。 ダーマッドという少年が、何故このような集落に居るのか、明確な説明はありません。見た感じ男ばかりの集団で暮らしているようなので、おそらく本拠地は別の村にあるのだと思います。 ミュートという(この名前もダーマッドくらいしか呼ぶものはいない)男が何故喋らないのか、その説明もほとんどありません。 ただひとつ、大怪我をして倒れていた男は少年に助けられ、そのままその村に居ついて少年を守るようになった、ということだけは映像で語られます。 日本の古典で例えるなら、義経と弁慶が近いようにも(遠いかも)思われます。 ダーマッドにはどうやら不思議な力が備わっているようで、ミュートはひたすらダーマッドに付き従っています。ダーマッドが非力な少年なので、ミュートの怪力は少年を守るすべになります。 映像は暗く、彼ら修道士たちの行動は謎めいていて、神秘的です。彼らを追う側の人間は、ひたすら傲慢で、残虐で、グロテスクです。景色は霧が立ち込めていることが多く、おそらく心象風景を担っているのだと思います。 物語は最後まで解き明かされずに、唐突に終わります。 ダーマッドは何を選択したのだろう。あの場面で彼はどれを優先するんだろうか。 どうするのが正解だったんだろう。見終わって、しばらく悩みました。 それはさておき、トム・ホランドが薄幸でエモいので、彼のファンなら必見です。ミュート役のジョン・バーンサルも喋らないことが余計に不穏さを醸し出していて(なのにひ弱なダーマッドに隷属してる)絵になります。 なかなかいいです。
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