人の記憶について描かれた映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月26日 23時57分
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総合評価:
3.0
「記憶屋」を題材とした人の記憶をめぐる物語。「記憶屋」は都市伝説で、現実離れした存在ではあるけど、人の記憶や想い出について考えさせられる映画だと思いました。
序盤の記憶屋探しのシーンでも辛い記憶を消したことで前向きに生きられるようになった人がいる、それほどの辛い現実が存在することが語られています。
また、記憶を消去出来れば辛い過去や苦悩から解放されるけど、大切な相手から自分の記憶を消してしまうこと、忘れてしまうことがお互いにとって本当に良い方法なのかと考えさせられました。
耐え難い記憶を残す理不尽な社会の現実と、過去を乗り越えることで大切な想い出をより幸せなものにできる人間の強さが記憶屋を通して描かれていると感じました。
ただ、依頼者の記憶は全て記憶屋である真希に残っていて、記憶屋がとても悲しい存在に描かれているように感じました。フラッシュバックのように依頼者の記憶がよみがえる中で生きている真希が最後に選んだ道がとても切なかったです。