グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
女優を引退しモナコ大公レーニエ3世(ティム・ロス)と結婚した公妃グレース(ニコール・キッドマン)は、アルフレッド・ヒッチコック監督からの新作オファーに心が揺れていた。そんな折、夫の推し進めていた政策が当時のフランス大統領シャルル・ド・ゴールを激怒させ、武力衝突に発展する可能性もある危機に直面。彼女はスクリーン復帰か、家族そして国家のために全てをささげるかの選択に直面し……。
グレースケリーが出演する映画を見た記憶がありませんが、美しい顔立ちは往年のハリウッド女優の中でも上位に入ると勝手に思っています。またモナコ公妃になった後に悲しい事故で生涯を終えたことからも私にとっては印象の強い女優です。そのグレースの役をニコール・キッドマンが演じたことについて、ミス・キャストとの評価もあったようですが、私はニコールも好きだったので当然のようにこの作品を見ました。 モナコ公妃になった後の実話を元に作られた本作では、世間の目には華やかに映るものの慣れない環境に置かれた彼女は決して幸せそうには見えず、苦悩するシーンが続きます。それを自ら克服するため様々な作法やフランス語を学ぶシーンでは彼女(グレースとニコール)が可愛らしく見えました。終盤での彼女のスピーチも素晴らしく、立場のある人の言葉が国家の運命を大きく左右することを改めて認識しました。 グレースがいた時代のモナコの状況、母親すら愚痴を聞いてくれないグレースの良き理解者がヒッチコックだったこと、マリア・カラスが友人だったことなどグレースの生涯に更に興味を持たせてくれた作品です。
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