鎌倉に住むミステリー作家である一色正和(堺雅人)とその幼妻亜紀子(高畑充希)の周りで起こる不思議な事件と夫婦・家族の愛を描いた作品、ふんだんにCGを使った若い人向けのコメディ映画かと思っていましたが楽しませてもらいました。
正和と亜紀子の年齢差から夫婦というより愛人に見えますが、原作の設定を再現した「違和感」のようです。主人公の服装のせいか時代設定もよくわかりませんが、この違和感も原作通りなのかも。個性的なキャラ(人間、妖怪、神様)もたくさん出てきますが、こちらも原作を読んでいたら更に深く楽しめたはず。亜紀子が黄泉の国へ向かうまでのシーン、正和の編集担当である本田(堤真一)が未練と悔しさで号泣するシーンにはウルッときました。死神(安藤サクラ)のチャラさも良い。亜紀子が貧乏神と仲良くなるのも微笑ましいです。貧乏神と言えど神様ですかね。
黄泉の国行の江ノ電も良いですが、中国の武陵源をモデルにした黄泉の国はこの映画の見どころです。不思議さと幽玄さと荘厳さがあってデザインした山崎監督には脱帽です。
ただし正和の「母の秘密」については大した話(オチ)ではないので一連のエピソードは不要に思えます。鶴田真由は外して欲しくないけど。