恭一のキャラクターとは
2021年1月28日 15時12分
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総合評価:
2.0
ずるずると女との情愛に溺れていた恭一にとって、今ヶ瀬は何だったのか。
今ヶ瀬の何が、恭一にとっての「特別」となったのか。
それが最後まで分からなかった。
今ヶ瀬の魅力は、長年恭一だけを想い続けた愛情の深さだと思うが、半面、自身の孤独を埋める術を知らず、嫉妬深く情緒不安定となる危うさを持ち合わせている。
同性愛をなかなか受け入れられず、周囲にカミングアウトできない恭一の姿に苛立ち、寂しさを募らせる様は、これまでの恋人たちと何が違ったのだろうか。
また、浮草のように力なくフラフラと生きる恭一は、そもそもどんな人間なのか。
流されるままに女を抱いて、弱みを握られたとはいえ、男にも体を許す。
まるで主体性のない恭一は、過去にどんな恋愛をして、何に心を震わせてきたのか。
恭一の人間性があまり描かれていないため、彼のどこに今ヶ瀬というピースがかっちりと埋まったのかが分からないのだ。
心の機微を描いてこそ恋愛映画だと思うのだが、その心がよく伝わってこない一本だった。