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「昭和の邦画の凄味」 復讐するは我にあり 松 かた子さんの映画レビュー

復讐するは我にあり Vengeance Is Mine

昭和の邦画の凄味

2021年2月1日 20時12分 役立ち度:1人
総合評価: 5.0
緒形拳の色んな魅力が爆発している。

平気で人を殺す、理解不能な殺人者の顔。
何かが降りてきてるのかと思うばかりの演技に、ゾッとしている間もない。

人懐っこい仮面を被っていて、騙される人が続々と現れる。特に、女性。
緒形拳が、女たらしなんて。勝手に思い描いている緒形拳そのまま。
昭和の邦画で女性を、たらし込めるのが似合い過ぎな俳優。
たらし込める方が似合っているのに、巌に騙される、小川眞由美の演技も凄い。
「THE女体」という昼下がりに行けないものを見た感じのエロスが、そこら中に溢れ出ている。その上、冷たい言葉を男に吐くのがお似合いの彼女が、一途な女な女性を演じている。

平気な顔して嘘を付いているけど、年の功、色んなものや色んな人を見てきた人には通用しない。
でも、その人間の人となりが残念なので、通用しない、もどかしさ。

緒形拳演じる榎津巌の知らぬ所で、巌の父鎮雄と巌の妻、加津子が、異様なことになっているのも重要で、この2人も濃度が高い。

巌とハル、鎮雄と加津子。
凄まじいパワーのキャラクター達。

なぜ、巌は人を殺していたのか?その謎を解く鍵は、思いもしない所にあり、衝撃。

邦画の本気のエネルギーは、凄さまじい。
詳細評価
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