内容が盛りだくさんな映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月7日 12時01分
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総合評価:
4.0
あくまでSF娯楽映画なので、解りやすくテンポの良い展開の映画になっています。
巨大企業が民間軍事会社の傭兵たちを雇い、それが悪役となるところなどは、現代の様々な政府や企業が実際にやっていることをネタにしたのでしょう。
現代は各国で政府の様々な規制が緩和され、武装した警備業務や軍事的なことまで民営化されている国も多いようです。
主人公の外見が変わってくると、それまで親しかった周囲の人の態度も一変するというのは、監督が実際に見てきたいろいろな人の人種による態度の変化を描いたのでしょう。
エイリアンの造形や出てくる様々な兵器などに関しても、独特のセンスを感じさせました。主人公がエイリアンの武器を使い傭兵たちと繰り広げる戦闘シーンも迫力満点で、SF娯楽映画としても十分な内容になっています。
難民として出てくる異形のエイリアン達も、それぞれ個性があり、知性を持ち穏やかな登場人物も出てくることから、見ているこちらも外見のみで相手を判断するということの危うさが解る展開になっていました。
SF娯楽映画の中に、これだけの要素を詰め込んでいるブロムカンプ監督のセンスが光る映画です。