映画ポップコーンの評価
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最後の旅へ向けた「納棺」をテーマにした作品です。 この作品は、さそうあきら氏によって映画化に先立ってコミカライズされています。 しかし、本当の原作はさそう氏ではなく、青木新門氏の「納棺夫日記」です。 さそう氏の作品の方はかなり映画に沿っていますが、青木氏の作品の方はかなり哲学的な面をもっており、エッセイのためストーリーも特にありません。 青木氏のほうを原作として本作を観ると、かなりの違いに驚くかと思います。 しかし、原作などを意識せずに鑑賞すると非常にいい作品です。 チェロ奏者だった大吾が、ちょっとした勘違いで納棺の仕事につくことになります。 納棺専門会社の社長・佐々木を演じる山崎努さんの所作が大変美しいです。 ご遺体、そしてそれを見送る人々に配慮した動きに注目を。 遺族にとって、故人を見送る一連の儀式は、心を一区切りつけるための大切なものです。 それを経てこそ、故人を穏やかに送ることができるんですよね。 しかし、「死」を扱う仕事というのは一般には受け入れられないもので……。 チェロ奏者から一転、納棺師になった大吾。 彼の初めの戸惑いと、仕事の尊さへの気付き、そして妻に忌避されてしまうという一連の心の動きを本木雅弘さんが巧みに描いておられます。 音楽もよく、静かでいい作品でした。
このレビューにはネタバレが含まれています
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